ダイエットを行っている人がカロリーばかりを気にして、食事量を極端に減らしている姿を見かけます。
しかし、それでは体重が減るかもしれませんが、筋肉量や基礎代謝も低下してしまうのでキレイに痩せる事ができません。
ダイエットをする上でカロリーは、もちろん意識する必要がありますが、大切なことは「PFCバランス」です。
PFCバランスとは?
三大栄養素であるProtein(タンパク質)、Fat(脂質)、Carbohydrate(炭水化物)の頭文字を取って、それぞれの栄養素が総エネルギーに対してどれくらいの割合を占めてしているかを表示した比率のことです。
・Protein(タンパク質):13〜20%
・Fat(脂質):20〜30%
・Carbohydrate(炭水化物):50〜65%
ただ単に体重を落とすだけでなく、キレイに健康的に痩せるには、この「PFCバランス」が大切になります。
Protein(タンパク質)とは
タンパク質は筋肉や髪、爪、肌などをを作るために重要な栄養素です。
もし、ダイエット中にタンパク質が不足してしまうと、筋肉量も低下してしまい、体重が減ったとしてもキレイに健康的に痩せることができません。また、筋肉量が減る事で基礎代謝も落ちますので、リバウンドしやすい体になってしまいます。
ダイエット中はメンテナンスカロリー(体重を現状維持するカロリー)より下げたカロリーを摂取します。
Fat(脂質)とは
脂質はホルモンバランスを整える作用や体温を保つ役割があります。
不足すると体温が下がったり、皮膚が乾燥してしまいます。しかし、余分に摂取した分は体外に排出されずに体内に溜め込み体脂肪となってしまいます。
Carbohydrate(炭水化物)とは
炭水化物は筋肉や脳が動く時のエネルギー源です。
極端に炭水化物を抜いてしまうと、エネルギーが不足し、疲れやすくなります。また、代わりに筋肉を分解してエネルギーにしようとするため、筋肉が減ってしまい、基礎代謝が落ちてリバウンドしやすい体になってしまいます。
糖質も脂質と同じように余分に摂取すると、脂肪に変換され体に蓄積され体脂肪となってしまいます。
自身の適量の炭水化物量を知り適切な量を摂取する必要があります。
1日に摂取すべきカロリーの計算方法
まずは、1日の摂取カロリーを計算する必要があります。
除脂肪体重=体重ー(体重×体脂肪率)
摂取カロリー目安=除脂肪体重×35(除脂肪体重とは、全体の体重から脂肪分を除いた重さのこと)
例えば、体重70kg、体脂肪率25%の人の場合は、除脂肪体重=70ー(70×0.25)=52.5kg
摂取カロリー目安=52.5kg×35=1837.5kcalこの1837.5kcalが1日に摂取したいカロリーの量です。
タンパク質の目標摂取量
タンパク質の摂取量を計算してみましょう。タンパク質は、除脂肪体重の2〜3倍を目安に摂取することをオススメします。
除脂肪体重=52.5kg
52.5kg×2〜3倍=105g〜157.5g
これをカロリー計算するとタンパク質は1g×4kcalなので、1日あたり420〜630kcalとなります。
脂質の目標摂取量
次に脂質を計算します。目安は摂取カロリー全体の20〜30%に設定するとよいでしょう。
1837.5kcalのうち、
・1837.5kcal×0.2〜0.3=367.5〜551.2kcal
となります。脂質は1g×9kcalなので、1日あたり40.8g〜61.2gが脂肪の摂取目安量です。
ダイエット中は脂肪はできるだけこの数値に抑えましょう。
しかし、摂取しないとホルモンバランが崩れ体調不良を引き起こすなどのリスクが高まりますので、摂取量を守るうようにしましょう。
炭水化物の目標摂取量
最後に、炭水化物の摂取量を計算します。
摂取カロリーからタンパク質と脂質を引いた数値が、炭水化物の摂取目安です。
・1837.5kcalー(420〜630kcal【たんぱく質】+367.5〜551.2kcal【脂質】)=1050〜656.3kcal
炭水化物は1g=4kcalなので〜gが摂取目安です。まずは、タンパク質と脂質の数値を設定し、そこから炭水化物の量で調整すると良い。
PFCバランスの良い食事例
上記の計算を踏まえて考えた、1日の献立例はこんな感じ!
PFCバランスの良い食事例(朝食)
カロリー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | |
白米 | ||||
納豆 | ||||
豆腐 | ||||
わかめの味噌汁 | ||||
卵(2個) | ||||
たんぱく質不足やエネルギーを補給する為にも朝食は大切です。
朝にたんぱく質を摂取する事で、代謝が上がりやすくなり、カロリーを消費しやすいです。
たんぱく質は20g以上摂取することをおすすめします。
PFCバランスの良い食事例(昼食)
カロリー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | |
鶏肉とゆで卵でたんぱく質はバッチリです!
食物繊維は腸をきれいにしてくれます。たんぱく質を摂取していると便秘になる可能性もありますので、食物繊維は毎食摂取できるように心がけましょう。
間食
カロリー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | |
PFCバランス良い食事例(夕食)
カロリー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | |
ダイエット中のおすすめの「PFCバランス」
ダイエット中にはいつものPFCバランスとは変わってきます。
結論から言うと、たんぱく質(P)を多く取り、脂質(F)を下げることが必要です。
比率で言うと、
P:30〜40%
F:10〜20%
C:40〜60%
が理想です。
減量期には、メンテナンスカロリーよりも500〜1,000kcalほど下げます。一般的には、カロリーが下がると筋肉をエネルギーにしようとします。その為、たんぱく質をいつもより摂取して分解を防ぐ必要があります。
まとめ
ダイエットでは、カロリーの摂取量も勿論大切ですが、「PFCバランス」を整えならければ、せっかく体重を落とせても、見た目は筋肉量が減ってしまい、キレイに痩せることができません。また、筋肉量が落ちるということは、基礎代謝も落ちてしまいますので、リバウンドしやすい体になってしまいます。
普段から「PFCバランス」を意識して、食事メニューを考えてみましょう。そうする事で、自分に足りない栄養素がわかり、いつの間にかバランスの良い食事ができるようになります。